
からだを冷やさないためには、どんな食事が必要?
人間のからだには、37度より低い温度の飲食物を摂取すると、体温をあげるために、からだから発散する熱を少なくしようとするはたらきがあります。反対に、37度より高い温度の食べ物や飲み物を摂取すると、皮膚の表面の血管をひろげ、からだから熱を逃がし、体温をもとに戻すといったはたらきがあります。
こうした体温の恒常性を保つメカニズムを良好に維持するために、栄養バランスの良い食事が必要です。
体を冷やす食品を控え、体を温める食品を積極的にとると冷え性を解消できるという考え方がありますが、実際には冷えをすぐに解消できる食品はないのです。
例えば体を温める食材として知られるトウガラシは、その主成分である力プサイシンが体温を上げる作用をもっています。しかし、トウガラシを含む、カレーなどを食べて、一時的に体温が上昇しても、発汗により体温を下がってしまいます。
また、身体を温めるといわれているショウガは、成分にジンゲロールを多く含み、温感を高め血流を増加させますが、そのはたらきは一時的なもので、大量に摂取しても冷え性は改善しません。
特定の食品にこだわらず食事全体の栄養バランスを整えることが、冷え性を解消するために効果的です。
たとえば、野菜や果物は葉・茎・皮など丸ごと食べると、その食材がもつ栄養素を無駄なくとれます。
ただし、冷たい食品や飲料を大量にとると、内臓が冷やされ、一時的に胃腸障害が起きることがあるので気を付けましょう。