更年期の治療といえば漢方薬?

更年期の症状に漢方薬は有効?

更年期の治療といえば、漢方薬を想像する人も多いのではないでしょうか。

日本の医療現場で、漢方薬が使われるようになったのは、実はごく最近なのです。

漢方薬は、西洋薬とは違い、症状にあわせて処方を決めるのではなく、患者さんの体質や症状が起きている症状により乱れたバランスを調整するように処方されます。

国内の医師にアンケートをとったところ、漢方薬を処方する病気の第3位に更年期がはいっています。ちなみに、1位は風邪、2位は

更年期の症状では、さまざまな不調が起きています。漢方薬にはひとつの処方でさまざまな症状や疾患に効果があることが多く、ひとつの症状ごとに薬を処方する西洋医学に比べて、使いやすい場合があります。

また、乳がんや子宮がんなど、ホルモン感受性の疾患の既往歴がある女性では、ホルモン補充療法(HRT)が使えないため、漢方薬で治療をしていきます。

更年期症状に使われる漢方薬とは

当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸は、古来より三大婦人漢方薬と呼ばれていて、更年期障害にたいしてよく使われます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

虚弱体質の人に向いている漢方薬です。

体力が低下し、色白で貧血傾向がある人。足の冷えやめまい、むくみ、肩こりがあり、のぼせのないときに使用されることが多い漢方薬です。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

比較的、虚弱な人から体力中等度程度の女性に使われます。明らかな、他の漢方薬の証がなければ、はじめに使われることが多い漢方薬です。

「逍遙(しょうよう)」とは、行ったり来たりぶらつくことをいます。肩こり、のぼせ、不眠など、さまざまな症状の訴えが多く、病院に来るたびに症状の訴えが変わるような場合に用いられることが多い漢方薬です。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

体力中程度の女性で、顔の赤みがあり、のぼせがある場合に、処方されます。

また、更年期症状によるめまい、不眠、無気力、冷え、のぼせがあり、ホットフラッシュがない場合に適応されることが多いです。

女神散(にょしんさん)

加味逍遙散でもとれないような、頑固なのぼせやめまいがあるときに処方されます。

五積散(ごしゃくさん)

慢性的な肩こりや頭痛があるときに処方されます。また、おしり〜太ももあたりの特徴的な冷えがある場合にも使用します。

温経湯(うんけいとう)

口やくちびるの乾燥、手のほてりがあるときに使うことがあります。

漢方薬は本当に効果があるの?

「漢方薬は効きがいい」、「漢方薬の効果はマイルドだから効き目がない」など、漢方薬にはイメージが先行してしまっていることがよくあります。

漢方薬は、複数の生薬が配合され、生薬一つ一つにもたくさんの有効成分が含まれています。単一の成分ではないので、それぞれの成分の相互作用により、有効成分の相乗効果と、毒性のある成分の相殺効果など、複雑に影響しあって効果を発揮しています。現代の科学では、漢方薬の効果や機序について追いついていないため、はっきりしない部分もあります。

漢方薬は効果があるかどうかは、漢方薬があなた自身と、あなたの体調変化にあっているかどうかで決まります。漢方薬の証があっていれば、効果があらわれます。反対に、証があっていなければ、症状が悪化することも考えられます。

漢方薬の効果はいつ頃あらわれる?

「漢方薬は効き目がゆっくり」と思っている方も多いですが、風邪の症状に使われる葛根湯などは、1~2日で効果があらわれます。風邪の症状で、何ヶ月も漢方薬を飲むわけにはいきませんからね。また、葛根湯は肩こりや、緊張性頭痛にも使われますが、その場合は「冷え」や「筋肉の緊張」が原因となっているため、効果を感じるまでには数週間〜数ヶ月かかります。

更年期の症状に使われる漢方は、からだを温めたり冷やしたり、からだの中の水分を調整したりと、変化をもたらすため、数週〜数ヶ月は服用する必要があります。

漢方薬が効果があるかどうか確認するために、個人差や医師の判断にもよりますが、まずは3〜4週間服用を続けて様子をみることが多いです。

漢方薬は温服がいい?

更年期に使われる漢方薬は、からだをあたためるものが多いため、白湯で飲むことをおすすめします。冷たい水で飲むと、胃腸に刺激をあたえるばかりでなく、血管が縮み、吸収されにくくなる場合があります。

また、漢方薬には独特の香りがありますが、香りによりリラックスしたり、精神を落ちつけたり、食欲をわかせたりなどの効果があります。香りの効果を得るためには、温服がよいでしょう。

更年期の症状で、吐き気がする場合や、どうしても香りが苦手な場合は、重湯で飲まなくても良いですが、冷たい水は避けて、常温の水で服用しましょう。

漢方薬はいつ飲むのが正しいの?

基本的に、漢方薬は空腹時に飲みます。空腹時とは、食事の30分以上前か食後では2時間以上たってからのことを言います。

漢方薬で、効き目が強すぎる場合や、気になる副作用がある場合は、漢方薬の吸収を弱めるために、食後に服用することもあります。

また、どうしても飲み忘れてしまう場合には、飲み忘れ防止のために食後に服用する場合もあります。空腹時に比べて、成分の吸収は落ちますが、まったく服用せずに、症状の改善ができなかったとなるよりはましです。

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