低用量ピルを飲んでいる人は更年期の治療ができないの?

更年期の治療方法のひとつに、ホルモン補充療法(HRT)があります。

女性ホルモンを服用するお薬というと、月経不順や生理前症候群(PMS)の治療に用いられる低用量ピルを思い浮かべる人も多いでしょう。

ホルモン補充療法(HRT)と低用量ピルのどちらにも女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)が含まれていますが、この2つは根本的に違う目的で発展してきた治療薬です。ホルモン補充療法(HRT)はエストロゲンの補充を目的に発展してきました。反対に、低用量ピルは排卵を抑制することを目的に黄体ホルモンを中心に発展してきたお薬です。

ホルモン補充療法(HRT)に利用されている、「結合型エストロゲン」や「17-β-エストラジオール」は排卵を抑制するほとの強い作用はもっていませんが、低用量ピルに利用されるエストラジオールは、女性ホルモンの中でもっとも活性が高く、ホルモン補充療法(HRT)に含まれているエストロゲンの6〜8倍ものエストロゲン活性があり、排卵を抑制することができます。

低用量ピルに含まれるエストロゲンの活性は高いため、更年期にあらわれるホットフラッシュや発汗、エストロゲンの低下が原因で起こる骨粗しょう症に対して、同等の効果が得られますが、エストロゲン活性が強いため、エストロゲンに起因する副作用のリスクもあがります。そのため、低用量ピルを更年期の治療に用いることは好ましくありません。

逆に、閉経前の更年期症状にホルモン補充療法(HRT)をおこなうと、更年期症状は改善されますが、月経不順になることがあります。

低用量ピルを服用している女性の更年期の治療では、閉経前は低用量ピル、閉経後はホルモン補充療法(HRT)に移行して治療することが基本となります。

また、「閉経とは12ヶ月以上の無月経」をもって定義されていますが、子宮摘出をしたことのある人では、月経の有無が判断できません。

月経により、閉経したかどうかを判断できない場合では、

  • FSH40IU/mL以上
  • かつ、
  • エストラジオール20pg/mL

により、閉経後と判断します。

おすすめの記事